【スミレ堂便りVol.3】「手彫り印章」と「機械彫り印章」の違いについて

こんにちは!手彫り印章専門店「スミレ堂」の彩です。

桜の満開の時期はほんのひとときで、あっといまに桜吹雪が舞い、桜若葉がみずみずしい時期となりました。みなさま、新生活をいかがお過ごしですか?

我が家は、娘が小学校入学。大きなランドセルを背負った後ろ姿からは、ドキドキとわくわくが伝わってきます。見守ることしかできませんが、親も笑顔で前向きでいることを心掛けたいと思います!

さて、今回は手彫り印章と機械彫り印章の違いについてお伝えしたいと思います。違いを知ることで、お店選びに役立てたらうれしいです。

印章の製作には大きく分けて、①文字デザイン②彫刻があります。

手彫り印章 機械彫り印章
①文字デザイン 印章彫刻士が文字のバランスを工夫して、手書きでデザイン パソコンフォントでレイアウト
②彫刻 印章彫刻士が専用の刀で文字を彫り、美しく仕上げる 自動彫刻機で彫刻

文字デザインの違い

手彫り印章

印章彫刻士が文字の画数の違いをバランスよく配置しながら印章独特の書体で毛筆手書きでデザインするため、文字に躍動感が生まれます。

印章彫刻士によっても得意な書体デザインがあり、選ぶ彫刻士によって個性を出すことができます。また、同じデザインはひとつもできないので銀行印・実印は手書きデザインが安心です。

機械彫り印章

パソコンに文字を入力すると丸型の中に自動的にレイアウトされるソフトをつかい、デジタルで作業します。文字のバランスは考慮されず、単調な印象のデザインになります。

また同一のデザインが幾つも出回るため、セキュリティー的に銀行印・実印にはあまりお勧めできません。

彫刻の違い

手彫り印章

印章彫刻士が彫刻刀を使って、文字を彫り上げていきます。一人前になるには最低でも10年の修行のいる技術です。文字に「太い・細い」の動きを表現することや、文字にスッとまっすぐなキレがあり、流れるような美しさを表現していきます。

また細部の仕上げには角度をつけ、材質によって力加減をコントロールするので丈夫さを保つことができ、熟練の技術で美しく仕上げる工夫が詰まっています。

機械彫り印章

枠と文字に「太い・細い」の表現ができないため、見栄えに躍動感は生まれづらく、単調な印象の仕上がりになります。

彫刻面は機械ではキレのある刀の仕上がりは難しいため、よくみるとガタガタなので朱肉で押したときにどうしても手彫りよりきれいに写すことができません。

このような違いから、手彫り印章はすべての作業が熟練した職人の手仕事のためどうしても機械彫り印章より値段が高くなってしまいますが、日本で古くから継承してきた伝統工芸品として価値のある美しいお品です。

私たちのお店では一生お使い頂く唯一無二の証である大切な印章ですので、このような違いのご説明もわかりやすくご説明するようにしています。

まず、お店選びの際は①文字デザイン②彫刻方法を確認してみましょう。

もし印章に興味をもってくださったら、次回も読んでくださるとうれしいです。
次回は印材の種類についてお伝えしたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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増田 彩(AYA MASUDA)
株式会社ノバレーゼ名古屋商品管理部所属。2007年入社以来、ノバレーゼ名古屋店のアトリエ業務に携わっている。友人の出産祝いに手彫り印章を贈り、喜んでくれたことをきっかけに、日本の職人の手仕事の美しさに心惹かれる。同時に、後継者不足などの課題を知り、日本の美しい手仕事を伝えるお手伝いをライフワークにしたいと活動を始める。2017年、「人生の節目に贈りたい・特別な手彫り印章専門店・スミレ堂」を、印章彫刻士の父と共に立ち上げる。6歳・0歳の姉妹のお母さんとしても日々奮闘中。

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